掴んだ顧客を逃さないアクティブサポートの仕組みと活用方法

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アクティブサポートの事例

「アクティブサポート」に企業は取り組んだほうがよいのでしょうか。炎上などの不安もあるかもしれませんがどのような会社も必ずやるべきだと思います。

例えば「スタバの新商品、美味しい!!」や「ニッセンで注文した商品が今届いた!!」等のSNS上の声にスターバックス社やニッセン社は「お礼」を言ったほうがよいと感じませんか。

ユーザーはお礼を期待して投稿している訳ではありませんが丁寧に返事をすれば企業のファンになってもらうきっかけにもなるでしょう。

不満や怒っているユーザーも少なくありません。それは企業にとって脅威にもなるかもしれません。

だから自社に関連する投稿がある以上、無視することなく、こちらから手を差し伸べる。これがアクティブサポートです。

これからアクティブサポートを仕事に活用してみようと考えている方にとって実際の運用を始められるように工夫して書きました。またアクティブサポートまではしないでも自社に関するどのような声がSNS上にあるのかを知りたい方向けにも書いています。お気軽にご覧いただければ幸いです。

<目次>
1 実践事例集
2 アクティブサポート用文面の具体的なアイディア
3 アクティブサポートの基本
4 はじめる前の準備
5 Twitterアカウント
6 担当者のトレーニング
7 投稿マニュアル
8 運用支援ツール

1 実践事例集

まずは事例を見たほうがイメージしやすいと思う。早速、現在進行形でアクティブサポートを実践している例を見ていきましょう。

1-1 ソフトバンク

ソフトバンクはアクティブサポートの実践において日本最大規模だと思います。

端末の水没や故障、学割などのサービス面、ソフトバンクショップへの不満や対応について等、ソフトバンクに関わる様々なツイートに対して丁寧に返答をしています。コミュニケーションの取り方では一度で完結させようとせず、対話をすることによって関係性を築こうとしている点が見て取れます。(@SBCare)

※画像はクリックすると拡大します。
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1-2 ニッセン

総合通販のニッセンは購入いただいたお客様へのお礼を非常に丁寧に行っています。

また配送状況についても対応をしており、ツイート投稿時はやや不満だったお客様もアクティブサポートをすることによって「ありがとうございます~」というような感謝が見える点は担当者のモチベーションにも直結します。

明るく、さわやかな印象を受ける文面も参考になりますね。「こういう時はニッセンに頼るか」というような購入いただいていないお客様にも「ありがとうございます」と伝えていて、その丁寧さや親切さはブランド力にもつながるように思います(@nissenCS)

※画像はクリックすると拡大します。
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1-3 アスクル

アスクルのアカウントでは「いつ来るんだ?」のような配送状況の確認に対して丁寧に対応をしています。

配送状況以外には「明日来るだからASKULなのか?」というツイートに対して、「はい!親父ギャグ的なセンスで・・・」というようなフランクなやり取りも見受けられ、文体から好印象に映りました。

ニッセンと同様に非購入者にも丁寧に応対しています。また返信を期待していなかったところに企業からコメントがあり予想外の感動を生んでいるやりとりもありますね。(@askul_cr)

※画像はクリックすると拡大します。
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1-4 業界の向き・不向き

業界や会社の規模で向き・不向きはありません。始められる範囲でどの会社でも始めたほうがよいというのが私の考えです。

しかし、お客様の声はすべてがクレームであると考えている企業は体質として合っていないと思います。

お客様のどのような声であっても耳を傾け、全社的に改善しようと思う企業が向いているのであって、業界や規模は関係がありません。

やりとりがソーシャルメディア上に残りFAQとしての使い方にもなるので、コスト面で実践が難しいという判断はもったいないと私は思います。

1章の事例のように企業からの連絡だからと言って固くなり過ぎることはないが、かといって不用意な表現ではリスクが高くなってしまう。次にどのような投稿に対してどのように企業として返事をすればよいのか文面を作ってみます。

2 アクティブサポート用文面の具体的なアイディア

日常生活でも洋服屋のスタッフがすぐに声をかけてきたり、なかなか注文を取りに来ない居酒屋さんのスタッフではいい気持ちにはなりませんよね。アクティブサポートもそれと同様です。

この章ではどのような文面がアクティブサポートとして「自然」であるのかお伝えします。もちろん参考なので、あなたの会社の特徴や担当者によって調整してください。

① 新商品を褒めて頂いた

@nakamura
オレンジ味のポッキーやっと買えた!美味しい!

 

@pokeychoco
@nakamura こんにちは、ポッキー担当の鈴木です。お買い求め頂き、どうもありがとうございます。フルーツ系は初めての挑戦でしたがお口に合いましたか?何かお気付きの点があればお気軽にお申し出くださいね。これからもどうぞよろしくお願いします。(鈴木)

食品メーカーの想定で書いてみました。ここのポイントはお礼を伝えることと、何か意見があるなら仰って欲しいと伝えることです。

このケースでは新商品なので、どのようにお客様に受け入れて頂けたのか遠慮なくご意見が欲しいとお伝えするのがよいと思います。

「グレープ味もこれから出るのでお試しください」のようなセールスに関わる言葉は適切ではないでしょう。

こちらにその気がなくとも、返事があると思っていない中での「グレープ味」ではお客様は売り込みに感じてしまい、嫌悪される可能性があります。

② 商品の使い方が分からない
@nakamura
昨日買ったIKEAの電気スタンド組み立て中。でも説明書が英語で意味不明。。誰か助けてよ。。

 

@IKEA
@nakamura IKEAカスタマーサポートの鈴木です。弊社製品をお買い上げ頂き、お礼申し上げます。また説明書の件でご面倒をおかけしております。日本語で組み立て手順を案内させて頂きますのでお手数ですが電気スタンドの商品番号をお知らせいただけないでしょうか。商品番号はスタンドの裏面、Aから始まります。(鈴木)

動画による説明があるのか、PDFによる日本語版マニュアルの配布があるのか、店舗に行けばスタッフが案内出来るのか等の案内も必要ですが、状況をまず把握するために商品番号をお尋ねするのがよいでしょう。

ただ唐突に商品番号と言われてもお客様は分かりません。

どこに書いてあって、どれが商品番号なのかが分かるようにお伝えしましょう。

またFAQページの案内でもよいかもしれませんね。

いずれにしてもアクティブサポートではやりとりに最後まで責任を持つことが重要です。

最後までツイッターで行わないでも、途中から電話でもメールでもよいです。ただその時はお客様が二度手間にならないように経緯は共有しておきましょう。

③ 商品が壊れてしまった
@nakamura
日立の洗濯機が壊れてしまった。この前から変な音がしてたんだよね。。もう8年使っている奴だから寿命かなあ。

 

@HITACHI
@nakamura 日立洗濯機お客様相談室の鈴木と申します。弊社の洗濯機をご愛好頂き、どうもありがとうございます。8年前のお買い求めいただいたとのこと、製品によっては生産中止しているものもございますが、部品交換などは可能です。お手数ですがご状況をお聞かせいただけると幸いです。XX-YY-XXXX

このケースの場合は長年ご利用いただいていることに対して丁重にお礼をお伝えしましょう。

「変な音」とあるのでモーター関連の故障かもしれませんし、部品交換だけでも直る可能性があると思います。

家電製品の場合は最新型のほうが電力や性能面では明らかに優れていますのでお客様のお考えを確認した上で「操作がほぼ同じの後継機の案内」は親切だと思います。

ただ「寿命かなあ」に対しての案内ではセールスになってしまう可能性があるので、まずは状況を確認するための連絡先をお伝えし、修理を案内するのがよいでしょう。

④ 店員の対応がよくない
@nakamura
○○○通り沿いのラーメン屋××のスタッフ超不愉快です!!

 

@ramen
@nakamura 初めまして、ラーメン屋××の鈴木と申します。弊社スタッフの対応によりご不快な思いをさせてしまい誠に申し訳ございません。もしよろしければどのようなことがあったのか詳細をお尋ねできないでしょうか。よりよいサービスのためにご意見をお聞かせ頂けると幸いです。

対応にご不満を感じているツイートには要注意です。対応のしかたによっては炎上してしまう可能性があり、影響力は大きいです。スタッフが正しくない言葉で接客をしたのか、態度が悪かったのか、注文を取りに来なかったのか、注文を間違えたのか、どのようなことがあって、どのようなことをお感じになったのかをしっかりと確認するのがよいでしょう。ここで静めようと「次回ご来店時には、100円引きにします」などと伝えてしまうと、他のお客様に拡散してしまい、利益に影響が出てしまいますのでインセンティブはやめたほうがよいでしょう。

⑤ 道に迷っている
@nakamura
今日の合同説明会の場所、分かんねー!!今、最寄り駅までついたのに案内が出てない。。

 

@setumeikai
@nakamura こんにちは、本日の合同説明会を主催しているXX社の鈴木です。最寄り駅までお越しの旨、ツイート拝見しました。また案内が不十分で申し訳ありません。よろしければお電話にて誘導させて頂きますのでXX-YYYまでご一報いただければと存じます。(鈴木)

もうすでに駅までいらっしゃるということですし、合同説明会なので開始時間もあるので、電話での案内がよいでしょう。この場合、駅に着いても案内がなかったと仰っているのでこちらの案内が十分ではなかった旨はお伝えしましょう。電話での対応が完了したら、他のスタッフが同じように対応しないように、「先ほどはお電話のお時間を頂きありがとうございます。それでは会場にてお待ちしております」などとお返事しましょう。

事例や具体的な文面を見て来てイメージが湧いてきたかもしれないので次はもう少しアクティブサポートを深く理解するために効果や運用手順の流れなど見てみましょう。

3 アクティブサポートの基本

3-1 アクティブサポートとは何か?について確認しよう!

アクティブサポートはソーシャルメディアの投稿から自社に関するものを企業が探し、企業から積極的にユーザーに連絡を取ることにより問題解決を図ることです。

そして企業はお客様が求めるサービスや商品により近付けるように革新を行うことです。
アクティブサポートの図1

 

元々はお客様の意見はお問い合わせを頂かない限り、企業は把握することはできませんでした。

企業はユーザーとのコミュニケーションにおいて常に「受け身」でした。来たものに応対するという考えです。

それがソーシャルメディアにより見えなかったお客様の意見が可視化されるようになりました。

それをより良い企業活動に生かすというのが背景にあります。
アクティブサポートは能動的

 

さらに、ただ返事をするだけではなく、永続的にユーザーとのコミュニケーションを繰り返すことが重要です。

3-2 アクティブサポートの効果

アクティブサポートの効果は3つあります。

  1. 離反しそうなユーザーに継続的に使ってもらうこと
  2. 改善のヒントになること
  3. つながりが資産化されること

1.離反しそうなユーザーに継続的に使ってもらうこと

アクティブサポートのもっとも大きな効果は『やめそうなお客様に対して、継続的に利用していただくこと』です。

製品に不満があるユーザーやサービスに満足していないユーザーの多くはお問合せをすることなく離反してしまいます。
アクティブサポートは離反を防ぐ

 

アクティブサポートを行えば企業と消費者は中長期的な関係を築くことができ、顧客ごとのワントゥーワンマーケティングを実現できるでしょう。

だからアクティブサポートはCRM(顧客関係管理)施策のひとつでもあると思います。

2.改善のヒントになること

「もっとカラーバリエーションがいっぱいあったらな」、「土曜日も営業してくれれば、便利なのに」、「店員の態度が悪かった!」などはいずれも商品企画や店舗運営部門などと共有の上でサービスや製品を改善するきっかけにすることが出来るでしょう。
アクティブサポートの改善のヒント

3.つながりが資産化されること

従来はご不満の声も企業側は待つしかできませんでしたが、ソーシャルメディアにより見える化されているので企業は自分達から動いてそれらを見つけることができ把握や解消をすることができるようになりました。

アクティブサポートでつながりの資産化をする

 

またお褒めの言葉をわざわざ企業側に伝えることは多くありませんでした。

「美味しい」「助かった」「ありがとう」等の声を現場の担当者に共有することにより、日々の業務のモチベーションにも繋がる点も小さくありません。毎日クレームだけに触れるというのでは大変です。

定期的なやりとりではメルマガがありますが全員に同じ内容を配信していることが多いので、多少なりとも文面を柔らかくしても、親身な気持ちで受け取っていたユーザーはいないと思います。

企業側からすればユーザーの囲い込みをするために接点を増やしていた訳ですがユーザーは囲い込みはされたくはありません。

ユーザーに前向きになってもらうには自分にだけの文面が届くというワンテゥーワン施策が必要です。

アクティブサポートを実践することにより「企業とユーザーの心の通ったコミュニケーション」が実現できるでしょう。

3-3 ソーシャルメディアのモニタリング

オンラインモニタリングとはソーシャルメディア上にどのような声があるのか知ることです。モニタリングなので見てるだけです。

アクティブサポートまではやらないけどモニタリングはやるというのも有効的です。

ただモニタリングはユーザーとコミュニケーションは発生しないので、よりよいサービス改革につなげるのは難しいかもしれません。

例えば、自動車会社のマーケティング部門に勤務するあなたが自社の新車について

  1. 「○○○に興味あるなー」
  2. 「△△△には乗り換えたいな」

という投稿が収集したとします。

それを新車を気に入っている投稿が一件、気に入っていない投稿が一件などと報告用のレポートを作ることには投稿件数がどれぐらいあったかなどを知るにはよいですが本質的なところまでは理解しづらいかもしれません。
情報の収集だけでは革新につながらない

 

興味を持って頂けたのは価格なのか、技術なのか、プロモーションなのか、接客だったのか、カラーリングなのか・・・。

それらをユーザーとコミュニケーションをすることにより解明しないといけないとイノベーションに繋がる分析にはなりません。

つまりオンラインモニタリングは情報収集には役立つと思います。まずはモニタリングをやってみようという企業もいるでしょう。

またポジティブ(前向きな投稿)、ネガティブ(後ろ向きな投稿)に分類することや、投稿件数の増減で一喜一憂するのは本質的ではありません。

「新しいマヨネーズ買った。カロリーが低くてよいけど、味が薄くなった感じがするなあ」という投稿では前向きなとらえ方も出来れば、そうではないようにも出来ます。
ツイートの分析

 

オンラインモニタリングをやる場合、あくまで収集を目的にしましょう。

しかしソーシャルメディアのお客様の声に耳を傾け、よりお客様に満足いただけるように取り組む場合はモニタリングだけでは不十分です。

3-4 企業にとっての価値

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アクティブサポートはユーザーに「感動体験」を与えることができます。

ユーザーは企業から返事があると思って投稿をしているのではありません。思ったことをソーシャルメディア上に投稿をしているだけなので企業から返事があった場合は驚きや嬉しさも感じることになるでしょう。

注意点は「売り込みをしない」ということ。

もし売り込みとユーザーが感じてしまってはそのサポートが離反の原因になってしまい逆効果です。
売り込みはNG

ソーシャルメディアは通知や宣伝のために利用する使い道もありますが、アクティブサポートではあくまでもユーザーを支援するためのツールです。

ワンテゥーワンでありながらも、対応したユーザー以外のユーザーにも「丁寧に対応してくれる会社だな」と認識してくれる可能性は大いにあるでしょう。

ブランディングにも繋がっていきます。

長期的な視点ではコールセンターへのお問合せ件数が減っていくことにも価値が生まれるでしょう。

「よくある質問」としてネット上にやりとりが残されるので、それを見たユーザーが自身の不明点を解消できます。

3-5 オンラインの靴販売ストア「ザッポス」の例

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ザッポスはアメリカの企業でオンライン上で靴を販売しています。数年前にアマゾンに買収されたのでもしかしたらご存じの方もいるかもしれません。

アクティブサポートの事例を見る上でザッポスの取り組みは必ず出てくるもので、徹底した顧客重視の取り込みを行う企業ということで知られています。

コールセンターでの応対は時間は測らずに、いかにお客様を満足してもらうかのみに焦点を充て、何時間かかってもよいとされています。一つの対応をどれぐらいの時間で完了できるかを指標にするのが一般的ですが、ザッポスは一切その指標を取り除いています。

いくつか紹介されているエピソードがあるのですが、靴を返品したいというお客様からの電話に対して、コールセンターのスタッフが理由を尋ねてみると、母向けの靴だったのだが亡くなってしまったので返品したいとのお申し出でした。

返品を受け付けるだけではなく、女性宅に花束とメッセージカードを送り、その対応に感動したお客様がブログに書き綴ったことからザッポスのサービスが全国的に知られるようになりました。

オペレーターが「どうやったら顧客に対して感動体験を与えられるか」に日々知恵を絞っており、代表者トニー・シェイは「お客様は『なにをしてくれたか』は覚えていないかもしれないが、『どんな気持ちにしてくれたか』は決して忘れない」と語っています。カスターサービスによる感動体験の重要性を伝えています。

どこでも買え、最安値ではない靴を販売しているザッポスが成長したのは顧客満足の徹底を狙ったからに他なりません。

3-6 具体的な運用手順・流れ

企業への影響を考えると、現場の担当者は今すぐにアクティブサポートに取り組める訳ではありません。

トレーニングの期間が必要です。

またコールセンター部門や広報部門のみで準備を進めることは不十分です。

モニタリングであれば見てるだけなので思い立ったらすぐにスタートしても大丈夫です。

例えば、「営業時間」や「接客の不満」などの投稿は営業部門が担当でしょう。

「CMの不愉快さ」などは広報部門でしょうし、「システムの不具合」はシステム管理部門です。

会社全体の革新のために全社的にどのようなルールで情報共有をするかなどを決めておく必要があります。

また企業の公式アカウントとして対応をするので「絵文字は入れていいのか」、「対応者の氏名は名乗るべきか」などのツイート文面のマニュアルやアカウント作成が必要になります。

実施の承認→共有方法の決定→担当者や承諾フローなどの運営体制の決定→文面マニュアル作成→アクティブサポート用のアカウント準備→担当者のトレーニング→アクティブサポートの実施というステップを考えると、承認を経てから、おおよそ1~2カ月ぐらいは準備期間として想定したほうがよいでしょう。

3-7 アクティブサポートを行うSNS

アクティブサポートの相性アクティブサポートを行うSNSはTwitterがよいでしょう。

Facebookでは企業のFacebookページに投稿があった場合に企業アカウントから返答をするのは当然だと思いますし(ユーザーから企業ページにコメントを残している以上、アクティブサポートではない)、ユーザー個人のページに企業アカウントから返答をするのは、一般的ではないと思います。

「今日はキリンビールの新製品を飲んだー」と投稿した場合にキリンビールのアカウントがお礼を言う習慣はFacebook上にはありません。

またFacebookでは一般的に本名で行うSNSであるが故にお褒めの言葉などは言いやすくても、不満や愚痴などは吐き出しづらいでしょう。

その点匿名であるTwitterでは匿名であることを理由に愚痴でも不満でも比較的素直に言い出しやすく、別のアカウントから話しかけやすい特性があります。

そう考えるとFacebookであってもアクティブサポートの実践は行ったほうがよいとは思いますが、SNS特性を考えるとやはりTwitterのほうが自然なサポートができるので優先されます。

ブログについては自社の製品やサービスについての書き込みを検索して、取り上げてくれたことに対してお礼や感謝の気持ちを伝えたり、補足として追加説明を行うことも有効だと思います。

イメージがつきやすいかもしれませんが、LINEは個人間のコミュニケーションや企業アカウントからの通知が一般的な使い方なので不向きです。

4 はじめる前の準備

4-1 目標の設定

アクティブサポートの目標は「顧客の満足度」です。

フォロワー数やアクティブサポートの対応数は「増えたほうがいい」ぐらいの数字であって目標にはなりません。

もし担当者や担当部門がそこに目が向かってしまうと本来のアクティブサポートが行うべきことからずれてしまいます。
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ソフトバンクの「やりましょう進捗状況」は、孫社長に向けられた改善希望のツイートを可視化したものです。

「できました」で実施数を一覧表示し結果的に消費者への重要なメッセージにもなり目標設定として好例です。

やりましょう進捗状況
(提供:ソフトバンク)
http://do.softbank.jp/

これはソフトバンク社だから実現可能だったというのももちろんありますがフォロワー数や対応数などを安易に目標にすることなく、アクティブサポートの本来の目的と合致した目標を慎重に設定することが必要です。

4-2 フォロワー数

ツイッターをセールスプロモーション用に活用する場合はフォロワー数は拡散力を確認する上で有用な数値ですが、アクティブサポートにおいてはほぼ意味はありません。

「多いほうがいい」というぐらいです。

4-3 担当者の資質

アクティブサポートを運営する担当者に求められる資質は特にありません。

ツイッターの操作トレーニングは必要ですが、それはトレーニングをすればどなたでもできるようになります。

最適なのはコールセンター部門のスタッフです。

コールセンター部門は日々消費者からの厳しい要求や要望に対して謙虚に応対しています。

消費者と接するストレス耐性もあるし、また慎重に応対しないといけないとトレーニングされています。

一方で広報部門では一般的に曖昧に外に表現することが多い傾向があるように思います。

マーケティング部門では論破するという思考がどこかあるように感じます。

曖昧さや論破よりは謙虚さがアクティブサポートには重要です。

4-4 人数

多くの企業では対応しなければいけないつぶやき数(ツイート数)は、毎日数10件~100件 程度だと思います。その場合は、一人でも作業量は十分です。

しかしソーシャルメディア上で対応が必要なツイートを探し、文面を考え投稿をするというのは不慣れな作業です。

普段の作業以上にストレスにもなると思いますので理想的には2~3人程度で交代制で取り組んではどうかと思います。

担当者の退職や異動を踏まえて理想的には7名程度のスタッフがどなたでもアクティブサポートをできるように準備をすれば将来の備えになるでしょう。

アクティブサポート専任のチーム体制が必要になるのは一日100件単位で対応する場合です。

4-5 社内向けの成果物

アクティブサポートで得た要望リストを社内向けの成果物にするのがよいでしょう。

アクティブサポートには社内の協力が不可欠です。

サイトを見やすく改善したり、商品の価格を変更したり、スタッフの教育をしたりと具体的な施策に繋げて改善していくことが必要です。

だからアクティブサポートの実施状況やお客様の声などを一覧化して社内に共有することが必要です。

毎週水曜日に商品企画部の定例会議があるから前日の火曜日18時までにアクティブサポートで得た要望リストを企画部門長にメールで提出するなどのルーチンの仕事にしてしまうとよいと思います。

重要なのは具体的に見える形にして全社で共有することです。

レポート作成に時間がかかっては本末転倒ですから、できるだけ資料作成時間は短く、シンプルな資料で了承を得たいところですね。

その点はアクティブサポート専用のツールを利用するとレポート機能があるので効率的です。

4-6 社内周知

電話やメールといった従来のサポートと並列にアクティブサポートを配置するのが適切です。事前にやり方を共有することが重要です。

企業にとってはツイッターを使って情報発信のように伝達するための手段であるから広報部門がリードすることもしばしばですがお客様にとっては企業の窓口のひとつなので運営部門ごとに窓口が変わるのはよくありません。

部門をまたぐ場合には、エスカレーションの方法やシステム的な参照の仕方なども共有する必要があると思います。

製品仕様に関わることもありますし、株主に関することや、店舗運営のこと等、多様な連絡が入ってくることを考えると、IT部門や広報部門や、営業部門、もしくは「消費者の声はなんでも知りたい社長」などと実際の運営前に共有しましょう。

5 Twitterアカウント

5-1 公式アカウントと分かる設定

「プロフィール欄」が一番重要です。目的や対応する時間帯、ポリシーをしっかりと書きましょう。

企業として運営する以上、属人的にならずに一目で公式アカウントであることが分かったほうがよいでしょう。

文字数が160文字なので、短いですが、他の企業の公式アカウントも参照しながら、最適な文面を考えてみましょう。

<参考>
ソフトバンク公式Twitter
https://twitter.com/sbcare

ニッセン公式Twitter
https://twitter.com/nissenCS

アスクル公式Twitter
https://twitter.com/askul_cr

5-2 運用ポリシー

運用ポリシーはツイッターの各機能をどのように使うのか事前にポリシーを定めておくことです。

文面による伝え方は各スタッフの個性が反映されてもよいと思いますが公式アカウントである以上「誰が行っても変わらないレベル・方針」にするべきです。

具体的には「誰にフォローするのか」、「ダイレクトメッセージは使うのか」、「お気に入りは使うのか」、「RTは使うのか」、「短縮URLは使うのか」などです。

取り決めは各社の考えによるところですが、それぞれに対する私の考えを以下にお伝えします。

①フォロー

各企業様々です。フォローしない企業アカウントもあればフォローを増やすアカウントもあります。フォロー返し(フォローされたらフォローを返す)だけ行うケースもあると思います。アクティブサポートにおいてはフォロー数は重要な指標ではありません。私が考えるところではアクティブサポートをしたアカウントのみをフォローするのがよいと思います。フォロー一覧にはアクティブサポートを行ったユーザーのみが掲載されるからです。

②ダイレクトメッセージ

個人情報のやりとりなどで使っている場合もあるようですがAPI公開されている以上、悪い発想からダイレクトメッセージの中身を抜かれてしまう可能性もゼロとは言えません。それ以前に運用ミスでダイレクトメッセージ宛のものが公開されてしまうことも考えられます。従ってダイレクトメッセージは使わないほうがよいでしょう。

③お気に入り

使うメリットはないと思います。使わないでよいでしょう。

④RT

積極的にRTする企業もあります。それは自社情報の拡散の一助になるからです。反対に自慢話のように受け取られかねないからRTはしないポリシーの企業もいます。アクティブサポートは情報発信がメインではないのでRTはしないでもよいと思います。

⑤短縮URL

文字数に制限があるので積極的に利用したほうがよいでしょう。biltyなどの短縮URLを発行するサービスを活用しましょう。よりよいのは短縮後のURLも自社ドメインにすることです。amazonはamzn.toが短縮URLのドメインですし、Facebookはfb.neです。3文字程度のドメインを作って、biltyなどで自社用の短縮URLを使うやり方がよいでしょう。

5-3 軟式アカウント

企業の公式アカウントでありながら、くだけたコメントや冗談を言うアカウントを「軟式アカウント」と呼んで、NHKや東急ハンズ等が取り上げられていたことがあります。

企業のアカウントでありながら「軽い」コメントをするのが斬新で興味を持たれたのは分かりますが、アクティブサポートでは軟式アカウントはよくないと思います。

クレーム、食中毒、不祥事などが発生した場合に軟式アカウントのままでいるのはできませんし、どうしてもセンスや才能という属人的なものだからです。

6 担当者のトレーニング

実際の運用前にトレーニングをすることが必要です。

早くアクティブサポートをやってみたい気持ちにもなりますが、トラブルは今日起こるかもしれません。

ソーシャルメディア上のトラブルは会社の評判にも大きく関わるところなので、気持ちを少し抑えましょう。

習得状況によって期間は適宜修正してください。

6-1 個人でTwitterを利用する

まず始めに1カ月間ツイッターを使いましょう。

100回以上投稿し、ダイレクトメールやフォローなど標準機能を使い、ツイッターがどのようなものか感覚的につかめるようにしましょう。

特に企業と個人の間の距離感や、どのような時に不快になったか等、自分の気持ちと向き合いながら遊んでみる期間です。個人として利用すればよいので企業名などは書かなくても大丈夫です。

6-2 アクティブサポートをしてもらう

アクティブサポートをしている会社用のツイートを投稿してみて、アクティブサポートを受けてみましょう。

返事は期待せずに待ってみて実際に企業から返事があった時にユーザーとしてどのような気持ちになるのかも確認してみましょう。

6-3 運用ルールを決める

例えば「☆」を使ってもよいのか、「♪」はどうするのか等が運用ルールです。

1日か、2日程度でできると思います。

「ありがとうございます。」とするのか、「ありがとうございます!」と感嘆符を入れるのかどうか等も決めたほうがよいでしょう。

顔文字の利用なども決めたほうがよいと思います。私は「☆」、「♪」、「!」は適宜使うようにして、それ以外は不可がよいと思っています。

また名前を名乗るのかどうかという点では、広報部門発行のプレスリリースでは担当名を名乗っているのにサポートの一環であるアクティブサポートで名乗らないのは一貫性がありません。

そのため「こんにちは、鈴木です。」というように名乗るのがよいと思います。

6-4 イメージトレーニング

自社ブランドに関するツイートを検索しどのような文面で返答するか、そもそもどのツイートに返答をするのかのトレーニングをしましょう。いざ文面を考えてみると文字数の制限もあってなかなか苦労することが分かると思います。

2日程度を想定しています。

6-5 周知&スタート

広報部門やIT部門と打ち合わせを行い、エスカレーションをお願いする体制を作りましょう。会社が行っている公式見解と異なってはトラブルの元になってしまいますし、IT部門の把握しないところで運営をするのもいいことはありません。2日程度を想定しています。

さあ、いよいよ自己紹介の文面を投稿してみましょう。

みなさん、初めまして。今日から弊社もツイッターを始めます。担当は私、鈴木と申します。お客様がご不満に感じられている点などにしっかりと耳を傾けて参ります。ご意見などお気軽にコメント頂けると嬉しいです。

7 投稿マニュアル

アクティブサポートを運営する上で分厚いマニュアルは不要です。

読んでも覚えられませんし、作成する時間があるのならトレーニングを重要視するべきです。

重要なのは社内の協力体制づくりや、システム面の改善であって形式的なマニュアルではないのです。

投稿マニュアルとして必要なのは決め事をまとめたものを用意するだけで十分です。

公式アカウントであっても、やはりソーシャルメディアならではの率直さもあるでしょうから、そのあたりを属人的にならないようにルールというか、共通意識をまとめるものを準備しましょう。

以下のマニュアルは参考程度で見て頂き、実際の現場での運営を想定して、適宜、追加・変更をして頂ければと思います。

ユーザーを一人の人間として理解してから対応する
「コピペ」は絶対禁止です。相手の顔が想像できてから文面を書き始めましょう。そのためには対応履歴などの個のデータを把握しておくことが必要です。

自分を名乗り、身分を明らかにする
一対一の関係を築く意味もありますし、ベースになるのは信頼です。特に複数担当で運営する場合に今の担当者を必ず表しましょう。文面に個人名や所属を書けばOKです。

セールスは絶対にしない
「続きはセミナーでご案内します」などと伝えるとセミナー集客に効果があればと思う気持ちは分かりますが、アクティブサポートではご法度。売り込みと意識しないでもそのように受け取られかねない言葉は一切控えるべきです。

お客様の利益が最優先
道に困っている人は目的地への道のりが分かればよいのに、ついでに書籍や新店舗のご案内もしまうと拒否反応です。

迅速な対応
アクティブサポートはユーザーサポートの一環です。そのため出来るだけ早く対応をしましょう。

対応可否を毎回考える
機械的に対応することが一番間違っています。対象のツイート以外にも前後のツイートも確認し、本当に対応する必要があるツイートなのかどうかの判断をツイートごとにやりましょう。

対話をする
一度で聞き出そうとしない。さらに返事を頂き、何度でも、お客様にご満足頂けるように対話をする。

コピー&ペーストしない
似たような文面は確かに発生しますが、コピペは禁止です。コピーの間違いによるリスクの回避という点もありますが、そもそも論として、一人にお客様に向かう気持ちとしてコピペでは対応できないと考えます。

対応時間を書く
「土日祝日を除く、10時~18時まで」等と対応時間をプロフィール欄に書きましょう。

8 運用支援ツール

アクティブサポートやオンラインモニタリングは運用支援ツールを使うのが一般的です。

どのような対応をしたのかの履歴管理やどのようなキーワードでツイートを収集するのか分析や社内共有などが必要になるためです。

8-1 一番おすすめするツール

アクティブサポートの運用に特化した「ベストアクティブサポート」です。
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かんたんに操作できるようにシンプルな画面になっているのでどのようなスキルの人でも使いこなせるでしょう。

社内共有するためのレポート系の機能も分析系の機能も優れています。

オンラインモニタリングも可能ですし、デモ操作が無料なので気軽に試してみることが出来ます。

ベストアクティブサポート(月額3万円)
http://www.mobilecommerce.co.jp/activesupport/index.html

8-2 運用支援ツール一覧

国内の企業において使われているツールです。各サイトを見てみて、どのツールが一番自社の運用がしやすいか検討してみるのがよいでしょう。

カスタマーリングス
http://www.pa-consul.co.jp/service/rings_web/
運営:プラスアルファコンサルティング

つぶやきデスク
http://twdesk.com/
運営:アユダンテ

Social Voice
http://socialvoice.jp/support/
運営:ネットイヤーグループ

TRUETELLER
http://www.trueteller.net/
運営:野村総合研究所

Engage Manager
http://engagemanager.tribalmedia.co.jp/
運営:トライバルメディアハウス

GLUE
http://www.hammock.jp/glue/
運営:ハンモック

ソーシャルメディアサービス
http://www.trans-cosmos.co.jp/digitalmktg/social/
運営:トランコスモス

アクティブサポートサービス
http://socialappsupport.com/service/active
運営:アディッシュ株式会社

Twitter特化型
「ベストアクティブサポート」

飯野
株式会社モバイルコマース代表 飯野勝弘
ソーシャル業界15年目

Twitter上の生の声をリアルタイムに収集し、アクティブサポートすることによって、お客様と企業がより良い関係を築く手助けをするツールです。自動で効果測定や収集レポートも作成可能となっています。初期設定もツイッターアカウントがあれば10分で完了します。(設定は弊社で行うことが可能です。お客様は「収集キーワード」を決めていただくだけ!)

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